「酷い……残酷すぎる……」
ちゃっかり扉の鍵まで閉めて、一人瞬間移動して行った絢に対し、セイランはとうとう遅刻の覚悟を決めた。
「仮にも十年間、互いに切磋琢磨してきた仲だというのに……」
Sランクになるほどの才能を持った絢からすれば切磋琢磨とは程遠かったが、セイランはそんなことは無視して昔を懐かしんだ。
「いや、あれ、九年間だっけ? ん、十一年間……?」
と唸りながらとぼとぼ歩き出す。
「十年間で合ってるよ。バカ」
「……へ?」
ふと背後から絢の声。
立ち止まり振り向くと、そっぽを向いた絢の姿。
「……早く行くよ」
「え?」
「ほんとに遅刻したいの?」
絢は俺に近付いて肩に手を置き、能力を使う。
良い友達を持ったなぁ、とセイランは心の中で密かに感動していた。
ちゃっかり扉の鍵まで閉めて、一人瞬間移動して行った絢に対し、セイランはとうとう遅刻の覚悟を決めた。
「仮にも十年間、互いに切磋琢磨してきた仲だというのに……」
Sランクになるほどの才能を持った絢からすれば切磋琢磨とは程遠かったが、セイランはそんなことは無視して昔を懐かしんだ。
「いや、あれ、九年間だっけ? ん、十一年間……?」
と唸りながらとぼとぼ歩き出す。
「十年間で合ってるよ。バカ」
「……へ?」
ふと背後から絢の声。
立ち止まり振り向くと、そっぽを向いた絢の姿。
「……早く行くよ」
「え?」
「ほんとに遅刻したいの?」
絢は俺に近付いて肩に手を置き、能力を使う。
良い友達を持ったなぁ、とセイランは心の中で密かに感動していた。


