キミだけを。



気がつくとさっきまで
オレンジ色だった空は
薄暗いグレーになり
星がちらほら出ている。


「…っあ!もうこんな時間…」


「星綺麗だね~☆」


「うん…ってか電話代…」


かれこれ一時間は余裕で
話している。


「へ?電話代?」


涼太は意味が分かって
ないみたいだ。


「もう一時間も電話してるよ?
大丈夫なの…?」



「全然余裕~☆」


「……お坊っちゃま?」


「なんでそうなんだよ(笑)」


「なんとなく」


「ははっ!!」


電話越しで涼太の
笑い声が聞こえた。