キミだけを。



冷やしながらベッドに戻ると

携帯が鳴った。


ディスプレイには

¨宮内涼太¨の文字。


あたしは一瞬ためらったけど

無意識に通話ボタンを押していた


「もしもーしっ!」

携帯から聞こえる涼太の声

あたしは慌てて携帯を
耳に近づけた。


「もしもし…?」


「もしかして寝てた!?」


「ううん。起きてたよ」


「なら良かった!」


「うん…で、どうしたの?」


「え?何が?」


「電話かけてきたから」


「…用がなきゃしちゃいけない?」



「…え?いや別に…」


「ははっ!」


電話越しで無邪気に笑う涼太。