「ごめんね。開けたの僕なんだ



彼が私の手と窓を一緒に押すと

さっきまで動かなかったはずの

窓が軽々と閉まった。

ポカンとして後ろを振り向くと

ニコリと笑顔を見せる長い黒髪

で美形な背の高い少年?がたっ

ていた。

「誰?」

「いきなりそうきちゃう???

僕の名前は『浮宮 優』と申し

ます。」

彼は、丁寧に頭を下げるとそう

いった。

「わッわ・・わッ私は、佐野

千代って言います!」

彼の丁寧さにうまく言葉が出て

こない。

「佐野?」

「えっえぇ。」

「この学校に佐野という人物は

?」

「確か私だけですけど・・それ

がどうかしました?」

「ィェ。勉学の邪魔をしてしま

ったようですね^^」

彼は机の上の参考書を見ると

「しつれいします^^」

それだけ言って、また窓から出

て行った。