桜が綺麗に舞散る外を眺めなが

らゆっくりしている私に一人の

少女が話しかけてきた。

「千代~。また外見て~」

私。佐野 千代に話しかけて来

た少女、安間 泰葉は私の前の

席にすわり、後ろを振り返って

きた。

「だってなんか外見てんのいい

じゃん?」

「疑問で聞かれても困るしっw



こんな風に平和に過ごしている

私に悪夢が降りかかることを誰

が予想しただろうか。


―――1.少年―――

「「「ばいばーい!」」」

やっと学校が終わってクラスか

ら出て行く生徒。

昇降口に向かう皆とは逆に私は

、図書室へと足を運ぶ。

新校舎の図書室の扉を開けると

木の香りが心地よく鼻へ通って

くる。

パラパラとしか居ない生徒は、

椅子に座って自分の好みの本を

読んでいた。

私は図書室の隅にある机に参考

書を置き、勉強を始めた。

泰葉が当番という事で、私は彼

女を待っているといった状況だ

そのとき。

『ガチャン!!』

鍵の閉まっていたはずの私の目

の前の窓が勢い良く開き、風が

私の髪の毛を撫でた。

「何っ!?」

窓を閉めようとしてもビクとも

しない・・

それどころか、こんなに大きな

音が鳴ったのに気付いているの

は私だけのようだ。

「もうっ!なんで閉まんないの

よこの窓っ!!!」

半ば怒りながら窓をグイグイ押

していると私の手に誰かの手が

重なった。