昼休みの誰も居ない旧校舎の図

書室で少女はゆっくりと目を閉

じた。

聞こえるのは風の音と鳥のさえ

ずりだけ。

目の前に広がる暗闇に身体を授

ければ、すぐに夢の世界へと連

れて行ってくれる。

いつもどうりの繰り返すだけの

日々。

朝起きて、学校へ来て、勉強し

て・・。

寂しいな人間って。

だが、その繰り返す日々の中に

生活している私も寂しい人間の

一人なのかもしれない。

『キーンコーンカーンコーン』

授業5分前の予鈴が学校中に鳴

り響く。

今日はやけに眠れなかったなと

少女は呟き、重い腰を上げて、

クラスへと向かった。

トイレの前にある広がった空間

には、群れをなしている女達。

「告白しちゃいなよー!」

「きっと大丈夫だって!」

そんな声がイヤでも耳に入って

くる。

私は顔をそちらへは一切向けず

廊下を歩いた。

水槽に入って優雅に泳いでいる

真っ赤な金魚。

私たちも、どうせ金魚と同じ。

同じ中にずっといるだけなのだ

から・・