「朝妃、あいつら殴らせろ。」
『喧嘩に明け暮れた、歩くストレスマシンのあんたに助言した私に言う?ボクシング出来なくなるわよ。』
馬鹿でしょ。と匠が拾ってくれた
鞄を受け取りながら応えた。
「ストレスじゃねぇ。お前に文句つける野郎に苛ついて、殴ってただけだろーが。小さい頃から。」
不貞腐れた態度で応える匠は
少し幼く見える。
『それがストレスって言うの。』
「うっせぇ。仲良くなっちまったんだから、仕方ねえだろ。」
『…物好き。』
そう呟いて匠の横っ腹をつんと突く。
匠の急所だ。
これは私の照れ隠し。
友達以上恋人未満。
いや、恋人なんか気持ち悪い。
例えれば兄弟。
この関係が私の支えだ。

