望むもの。 私の欲しいもの。 『─ら…ぃ』 ─聞こえない。はっきり言え。 そんな、優しく言うから 目の前が霞むじゃない。 『いらない。』 ─…何故だ。 だって、いらないのよ。 地位も名誉も富だって、 あって何になるの? あっても、私は、 たった独り。 独りぼっちなのに。 『そんなの、いらない。いらないから…傍にいて。』 私を独りにしないで。