「これを。」
お母様はおもむろに箱を取り出した。
「これは家の家宝です。天良。これは私達の子孫が使っていたものです。いつも肌身さず持っていなさい。」
「はい。お母様。」
それはイヤリングだった。
白い光の色。
私は無意識に腕を触っていた。
薔薇の紋章がある腕を。