惚れたのはナルシスト




1人で帰るのが嫌ってわけじゃないけど、

こっちに来てから、ほとんどの場合隣に美穂やアイツやら、誰かが居たから、


1人で帰る帰り道も、1人で見る快晴の綺麗な青空も、

みんなが冷たく感じた。



「ナルシストのバカ。」





全部、全部美穂の所為。

なんて思えたら、ちょっとは気が晴れるのかな?


美穂は、あんなにアイツに思われてるのに気づかないバカだ。

美穂は、周りを見ずに全部人の所為にする最低な人だ。

美穂の所為でアイツと喧嘩した。

美穂の言葉が心に冷たく突き刺さった。

美穂が冷たく笑う顔は大嫌いだ。


なんて、思っても、気が晴れない。

っていうのはちょっと嘘。

人の所為にすると少しすっきりする。

でも、どうしてかな?

心の奥がポッカリ穴が空いたように虚しいよ。

『アンタと雪兎じゃ無理。釣り合わない。相性も悪そうだし、友達なんて絶対嘘よ。アンタは、雪兎が好き。そうでしょう?』

美穂の言う通りなのかな?

釣り合わないなんて分かりきってる。

あんなカッコいい人の隣に居るの、本当はちょっと怖かったもん。

相性悪いんだろうな、アタシとアイツ。

だから、会って数日で喧嘩しちゃうのかも。

でも、友達だって思ってる。

好きじゃないもん・・・。

それでもやっぱり、アタシとアイツじゃ無理なのかな?

美穂もアイツも、アタシの友達じゃだめなのかな?