惚れたのはナルシスト




「真白!真白ってば!!」

「・・っへ?」

「もう!なにボケっとしてんの?もう放課後だよ~?」

「え?あぁ、うん。」

「ショッピング」

「あ、そっか。ゴメン。」

「何考えてたの?」

「え?あ・・・いや、なにも、ボーっとしてた。」

「ふーん?」



もう、放課後なんだ・・・。

「真白ちゃん!帰ろ!」

「え?」

「あれ?小田?何してんの?」

冷たい視線を美穂に送るのは貴方なりの優しさ?

「アタシ?アタシはこれから真白とショッピングする約束してるの、ね?真白?」

「え?あ、うん。」

「・・・・真白ちゃん、馬鹿?」

「違う違う!朝からしてた約束だから!」

「なに?なんの話?」

「真白ちゃん、気をつけてね?小田、何もするんじゃねえぞ?」

「失礼ねえ、アタシがなにするって言うの?」

「さあな、真白ちゃん、また明日ね。」

「うっ、うん。」


バイバイって手を振られたから、手を振りかえしたら、

「ねえ、真白さあ、雪兎くんのこと、好きとか言わないわよねえ?」

「え?」

「駄目だよ、そんなの。雪兎は、アタシの物だもん。」

「何言って・・・?」

「その証拠に雪兎、アタシと別れてからずっと彼女作らないもん。」

「・・・・そう。」

「だから、好きになっても無駄だからっ!!」

美穂は、アイツのなにに溺れたんだろう?

どうして、おかしくなっちゃったんだろう?

アイツの話が本当って証拠はないけど、今の美穂は、

どうしようもなく泣きそうで虚しい。可哀想。

そんな風に思えてしまうんだ。

アイツのことを、話す美穂は。