「ねえ、」
「んー?」
「アンタ「雪兎」･･･木崎雪兎ってさあ、なんで美穂と別れたの?」
「んー、気になるー?」
「いや、別に?」
「まあ、オレ、ちょっと期待してたんだよねえ。
ほら、オレカッコいいじゃん?」
「ナルシ」
「んん?」
「･････。」
「まあ、それでちやほやされるけど、美穂は幼馴染だからさあ、
態度変わらないで居てくれるんじゃないかなって。」
「･････。」
「で、告られたからokしたらさ、美穂、周りの女になんかしら色々言われたんだと思う。どんどん変わっていってさ、オレの好きだった美穂じゃなくなっちゃったんだよね。」
「･････。」
「今、すんげえ派手じゃん?まるでパンダ。」
ケラケラ笑ってるけど、ちょっと寂しそう。気のせい?
「それでさ、アイツ自分の親友のことすら下に見るようになってさ、段々壊れてくの、見てるの耐えらんなくなってさ、」
「･････。」
「アイツ、元は良い奴なのに、あんなにした自分に腹が立ったよ。だから、こそ直してあげなきゃって、支えてあげないとって、思った、けど、」
「･････。」
「どんなに傍に居ても何も変わらない、寧ろオレが傍に居る方がおかしくなってく、から、冷たくするように、オレは･･･逃げた。」
「･････。」
「で、別れちゃったわけ。」
「･･･ナルシストって、美穂のこと、本当に好きだったんだね。」
「当然だろ、幼馴染だし。」
「･･･美穂は、放っておかないと駄目なの?」
「近づけば、近づくほど、アイツは依存しちまう。オレは･･･無力だよ、何もできない。」
「･･･そっか。」
なんかこんなしんみりした顔、初めて見たな。
会って数日だけど、なんか、この人もこの人で考えてることあるんだなあって思った。
