壱「なぁ・・・知ってたか?」





愛人を見つめながら真剣な面持ちで話す壱夜はどこか遠い目をしていた。





千「なにを?」





壱「俺のホントの気持ちだよ」





千「えっ?」





壱「俺、ずっと昔からお前が好きだった」





千「・・・っ」





初めて聞かされた壱夜の気持ちにいまさら答えなんて出ない。





壱「いつもお前の傍に居て、俺なりに考えて守ってるつもりだった。翔がいなくなって何度も気持ち伝えようと思った。けど、言ってしまえばお前との関係が壊れてしまいそうで怖かった。お前が姿消して戻ってきた時には仁が傍に居て、すんげぇー悔しかった」





千「壱夜・・・」





壱「何度もお前を無理矢理にでも奪おうと考えたけど、お前が泣くのが目に見えてるから出来なかった。・・・仁といる時のお前はホント幸せそうで余計に何も出来なかった。今さらこんな事言われても困るって分かってっけど、ずっと言わないままじゃぁ俺も前に進めねぇー。千紘・・・幸せになれよ」





千「壱夜・・・ありがとう」





壱「あぁ」