あっ、そっちなのね。そりゃ~私も族なわけだし、見つかんなくて当たり前だよ。だって、私の情報や自分の族の情報は全部バリアー張ってるからね。でも、仁達には私が族だって事、バレたくない。








千「えっと・・・何でだろうね?ははっ」








そこまで言い終わると、仁が眉間に皺を寄せていた。









何で嘘吐くの下手なんだよ。こういう時、自分が恨めしく思う。










こうなったら、下手でも何でも隠し通さなきゃ。








仁「惚けんじゃねぇ!何隠してる?」








仁の顔は、更に険しくなっている。









何で新学期早々厄介な事ばっか起こるわけぇ~!?もぉ~何て言い訳したらいいか分かんないよ。1人俯いて考えていると、目の前に気配を感じた。









顔を上げて見てみると、そこには王子様みたいな笑顔を向けている男の子がいた。









その子は私の目線まで腰を屈めると「仁がごめんね。それに、ココに来るの怖かったでしょ?無理に言わなくてもいいんだよ」って言ってくれた。








何ていい人だろう。内心ホッとしたのも束の間「愁退け、俺はコイツに聞いてんだ」そう言って、愁と言う人を退かしてまた、私に視線を戻した。








仁「で、何者なんだ?」