でも、野口の答えは、なかなか出てこなかった。
「え〜〜っと……」
なんで???
どうして???
言いづらいだけ???
「なんつうか……その………あ〜〜くそっ!!!」
「え……??」
野口がなんかおかしい。
「だから……その……怒ってくれて、ありがとな、って……」
え………???
ありがとう……???
「それだけ????」
あたしが首を傾げると、野口は顔を真っ赤にした。
「そうだよ。……嬉しかったんだ。俺のこと……かばってくれて」
ボソッと野口は言った後、大きなため息をついて、手で顔を覆った。
野口は……
小島にあんなこと言われても悔しくないの???
あたしの事、心配してくれたのは嬉しい。
お礼を言ってくれたのも嬉しい。
でも………


