トナリの無口くん



名前を呼ばれた。

振り向いた。




「………野口」

そこには、息をきらしている野口がいた。



どうして………



「どうして、あたしを追いかけてきたの???」


野口はきらした息で、ゆっくりと話し出した。




「高原が……心配だったから……」

心配……???


「なんであたしが心配なの???」


あたしが尋ねると、野口は髪をクシャっとかきあげた。




「だって……普通は心配するだろ。なんていうか……ほっとけなかったんだよ」


野口………


あたしは嬉しかった。

あたしのこと、心配して息をきらしてまで追いかけてくれたんだから。


でも………



「野口は……あたしに何を言おうとして、追いかけてきたの???」

ちょっぴり意地悪な質問。

ホントは答えわかってるんだ。

廊下に戻ろう、だよね??