「っ…!」

瑠稀の言葉に言葉を失った。

「マジかよ。まあ、そうだよな。おまえみたいな、地味でブスな女誰も相手にするわけないよな」

楽しそうに笑う。

酷い…。

「っ…じゃあ、なんでこんなことしたのよ」

「そんなの決まってんだろ。おまえがムカつくから」

ズキッと心が痛んだ。

あたしなりに、大事していたものなのに。

それを、瑠稀はいとも簡単にムカつくからって理由で壊すんだ。

「っ…!」

こんなやつな前でもう二度と泣かないって思っていたのに、我慢することが出来なかった。

悲しかった。

涙が頬を濡らした。

声だけは溢さぬよう必死に我慢した。

その時、瑠稀の瞳が一瞬揺れたような気がしたけど

きっと気のせい。

こんな酷いこと言うやつだもん。

気づいたら、保健室を飛び出していた。

鞄が教室にあるとか、そんなこと気にせず玄関で靴を履き替え逃げるように学校から出た。

授業を受ける気なんておきなかった。

辛くて、苦しくて…。

涙は止まることを知らない。

全速力で家路へと向かう。

息が上がって苦しい。

だけど、心の方がもっと苦しいよ。