「ただいま」

あれから私の身辺はすっかり落ち着いてしまった。
寂しくないと言ったら嘘になる……

今日の仕事を終え、午前二時に帰宅。
あの日と似ている、
この扉を開けたあの瞬間に……


ガチャ


な〜んているわけ……ない……


「やあ!!」

紅皇……!!!!

「どうしてここに?妖魔界に帰ったんじゃ」

「誰が帰るって言った?僕は許可をもらっていただけだけど」

「許可?」

「僕も人間界で暮らすことになったからよろしく!!これでまた一緒に居られるね」


紅皇が何を考えているのか……私にはまだまだ計り知れない。

だけど一つだけ言えることがある。

それは──私も同じ気持ちだってこと。



END