執事様、優しく教えて!

ひよりの部屋――



「あのね、ひよりは恋をした事もないの?って
学校の友達に笑われたの」



「恋、ですか…?」



「うんっ恋をするとね!

胸がドキドキってしたり、キュンッてなったりするんだって!

それでね、どんどん大人の女性になっていくんだって!

私、恋って本でしか読んだ事ないの

私も恋がしてみたい…」



みんなと同じ様に、恋をしてみたいよ…



「はぁ。それで何故街なのです?」



「だって、恋をするには相手が必要でしょ?

瑠璃が街に行けば恋ができるって言ってたもん!」



きっと、街に私の恋があるんだもん。



「まさかとは思いますが…

恋のお相手を探す為に街へ行きたかったのですか?」



「うん!」



「どうやってそのお相手をお探しになるおつもりで?」



「まだ決めてない!」



「ナンパでもされるおつもりですか?」



「必要とあらば!」



「………」



「だから、街へ行ってもいいでしょ?梗弥…」