執事様、優しく教えて!

みんなは私の知らない


そんな気持ちを知ってるんだ…



「私達はさ、家柄的に
そのうち好きでもない人と結婚させられちゃうでしょ?

だから、自由な恋ができるのは今のうちなの。

みんなそう思って今必死に恋をしているんだよ」



ふぅんそうゆう物なんだぁ。



「ひよりも、今のうちに
恋をしておいた方がいいんじゃない?

恋をすればする程、大人の女性になれるんだよ」



大人の女性かぁ…



いいな、いいな、


私もみんなみたいに恋がしてみたいな



ドキドキしてキュンッてなって…



「ねぇ瑠璃?恋はどこに行けばできるの?」



「うーん、まずは相手の人がいないとできないよね

街とかに行って相手の人を探してみたら?」



「街かぁ。うんうん!そうしてみるよ!

ありがとう、瑠璃」



何だか『恋』って言葉が
イキナリすごく素敵な言葉に思えてきた‥



「進展あったら、教えてよねっ!ひより」



「うんっ!もちろんだよっ♪」



温かい気持ち…


私は、胸に手を当てた。



変わり映えのしない私の日常が


『恋』の一言で鮮やかに彩った気がした。