あたしの横を流れていく、夜の街。 荒くなる、息遣い。 止まることを知らない、足。 あたし、どこに行こうとしてるの? どこに行けば、あたしは幸せになれるの? そんなこと。知ってる人なんていないだろうに、動き続ける足のように、その思考も巡り続ける。 「何急いでんの?」 甘く心地よい低音ヴォイスに引き留められるように、ぴたりと。あんなに走り続けた足は、糸も簡単に動くことをやめた。