あたたかな雨


「でも……」

「じゃあ、一緒に帰ろうか?」


それはつまり相合傘?

そこまでしてくれなくてもいいのにと思ったけど、彼の暖かい微笑を見たら、なんがか断りづらい反面、それなら大丈夫かな?という気持ちが芽生えてきた。


「いいの?」

「もちろん。じゃあ、行こうか」


彼はぱさっと白い傘を広げた。

半ば強制的に私の腕を引っ張って、傘へと入れる。

少しだけ触れた肌に、私はどきりとした。


近い距離。

近い身体同士。


彼の整った横顔をちらりと見たら、視線が合ってしまって、慌てて下を向いた。