ざあざあと、微かに雨の降る音が窓越しに聞こえる。


本の戻しを一通り終わったあと、窓を見たら、やっぱり雨が降っていた。

自分でも心が沈んでいくのがわかる。


先日入ったばかりの新刊を一冊だけ借りて、なんとか気持ちは直ったけど、それでも雨は降り続く。

買ったばかりの新品同様のソックスは、お気に入りだった。

ねこの白いワンポイント刺繍が入った、かわいい紺ソックス。

濡れるのは勿体なかったけど、仕方ないことだと思った。


図書室勤務の女の先生に一言声をかけてから、図書室を出た。


窓越しに降る雨の音は、どんどん音を増していく。


急いで下駄箱に行ったときは、もうどしゃぶりに近かった。