貴方に呼び止められたまま



動けない私―



「振り返らなくてもいい」



貴方は そう言って 私を後ろから



優しく抱き寄せた―



喜びと不安の中



私の心臓は鼓動をうつ―



「君の返事― ずっと待っていたのに」




聴こえたよ



私の気持ちだって とっくに決まっていた筈なのに―



毎日見ていた



貴方の笑顔―



意識しないで 自然に貴方の姿を追うようになっていたこと―



貴方と過ごしている時に



私の心は 羽が付いたかのように軽くなる事―



過去の経験が その気持ちを遮っていただけ―



答えは決まっていたの



意地を張る必要なんて無い―




「私も 待っていたよ
貴方が愛してくれるのを―」




振り返り 貴方の 瞳を 見つめれば



貴方は 幸せそうに微笑んだ―



「困っても 知らないよ 私は とっても扱いづらいんだから 」



そう言う 私を 貴方は 黙って



ただ 強く抱き締めた