待って



閉めないで―



天使は そう言った



愚かな私は


心の鍵を落してしまって



窓を閉める事が出来なくなってしまった―


ピアノが弾けるんだね


とても素敵な曲だったよ



貴方の言葉の方が


ずっと 心に響く―



店では あまり 君は話さないから


毎日のように顔をあわせるのに


僕は君の事を何も知らない―



私の事を知りたいの?


知ってどうするの?


何も言えずに立ち尽くす



貴方の瞳を見つめるだけで精一杯



早く私の鍵を返して―


貴方の唇が また 言葉を紡ぐ



君を愛してる―



貴方との間の短い距離を


飛ぶようにして私の耳に届いた言葉


空気が変わるように感じた



不思議な感覚に捕らわれて―



知らないんでしょう?


私の事―



そんな 言葉を口にした



貴方は少し考えて



また 微笑む―



運命―チェリーに出会った事が


運命に感じられたから―