酷く弱り切っていて



愛から



守護天使から



運から



全てから見放されて



なす術も無く


何も無い
ただ広い広い荒野に立ちつくしているようで



事実―



本当は


狭くて 暗くて 陰鬱な部屋にいるだけ―

赤い色が目立つ衣服がベッドの周りに散らばって―



それは 私から流れ出た血のようで―



『チェリーは悪い子』



『チェリーは駄目な子』



『チェリーはゴミ』



どんなに暗闇に目をこらしても


部屋には私1人だけ―なのに


聞こえてくる―聞こえてくる




今日は 何日?


私は生きてる?


手首が痛む―



ふらりと立ち上がり


黒と白が規則正しく並ぶ楽器の前に腰を下ろす



痛みと悲しみが音として紡がれ―


耳に入る―その瞬間 気づかされる


ああ なんて愚かな―



ああ なんて弱々しい―



外は危ない―



でも



1人孤独に浸り続けて―身体に染み込み過ぎてしまったから



不幸に浸る独特の心地良さを

覚えてしまったから―



紡ぐ音



哀しみの旋律


苦しみの戦慄



窓が鳴る―




窓が鳴る―