「………。」
「………。」
暇だ。
死神さんから貸してもらった本でも読んでようかな。サックから本を引っ張り出した。
死神さんは作家だから、いっぱい本を持っている。太宰とか芥川とか少し渋い本。あとは哲学やら何やらの新書とか。
これは、死神さん自身が書いた本なんだけど、僕は結構好きだ。
白い冊子の文庫本。
本当に白が好きだなあの人。
まぁ、白が一番似合っているんだけどさ。
パラパラとページをめくる。
こんな気持ちのいい天気に風の通る公園、木陰の青いベンチ、まさに読書にうってつけだ。
………正直なところ、職を全て失ったので何も考えたくないのが本音なんだけど。


