蜃気楼。



「母さん、ちょっと待ってて。」


母さんを放置し、手を洗いにいく。

鞄を開けると、中からゴロゴロと

出てくるアイス。

流石冬。あんま溶けてない。


「良かった。」


安堵の声が落ちる。

急いで冷凍庫にアイスを突っむ。

すると…


「尽。またアイス買ってきたのー?」


騒ぎだす母さん。


「昨日も買ってきたじゃない!」


・・・アッ、忘れてた。

そーいやぁ、昨日買ったなぁ。

ま、いいんだって。すぐ食べ終わる。

明日には、半分くらいになってるはずだ。

何故かって?

母さんが食べるから。

母さん細いけどよく食うんだよ。本当に。