蜃気楼。


「いらっしゃいませ。」


店内に響く店員の声。

アイス、アイスっと…

アイス売り場に直行。


「うまそ。」


ずらっと並ぶアイスに、緩む頬。

適当にカゴに入れ、レジに向かう。

会計を済ませ、外に出ると

ひんやりとした、冷たい空気が体に纏わりついてくる。

鞄にアイスをしまい、

家まで全力疾走!!!!するつもりだった。

けど、現実にはならなかった。

何故かって?

それは…

声をかけられたから。

誰からって?

結川真央に、というかその友達?っぽい人に

思いっきり、


「あのッ!!!」


って、叫ばれた。