蜃気楼。

涙が出そうになった。

俺、基本甘い物無理だし。
ケーキとか、もっての他だ。
甘い紅茶なんて、飲めやしない。

そんな俺と違って母さんは甘党。
ケーキにエクレア、マカロンにタルト
なんかが大好物。
紅茶だって、砂糖とミルクたっぷりだ。

ゔッ、想像しただけで吐き気が…。

まー俺も唯一アイスは食えるんだけど。
アイスダイスキだし 笑

「あらまぁ。間違えちゃった‼」

強張った顔で笑う母さん。

「何と!?」

優しく言う気も起きない。

「……えっとねぇ、まぁちゃんのとぉ、
尽の。」

テヘッと、笑う母さん。
ハァッ!?

「・・・甘党?」

結川真央に尋ねると、

「いえ、甘い物はあまり。」

と首を横に振った。

「だとよ。」

母さんを見ると、
よほどショックだったのか目をパチクリさせていた。

「まぁちゃん、甘い物、嫌い?」

また尋ねる母さん。

「はい。」