蜃気楼。

「あぁ。」

母さん、知ってたのか。

あっと、季歩ってのは母さんの名前。
鬼追李歩ってのがfull name 。
今、何歳だっけ??
分かんないけど。
なんか、実年齢よりカナリ若く見える。
外見だけ見るならまだ20代に見えるのが不思議だ。

母さんと買い物いったら、
年の差がチョットあるがカップルにみえる。

だから、母さんとはあんま出歩きたく無いんだよねー。

「先、下行っときます。」

恐る恐る、とでもいうように、
俺に尋ねる結川真央。

「あぁ。俺も行く。」

そう言って、
俺と結川真央は、一階に降りた。

「尽。ほらっ、ケーキ食べなさい!!!」

紅茶をいれながら言う母さん。
…俺のも準備してあるし。

俺がドカっと椅子に座ると、

「尽。あんた女の子いるのにぃ。」

唇を突き出し、いじける母さん。

「はぁい、はぁい。わーった、わーった。」

渋々姿勢を直すと、