蜃気楼。

「あっ、はい。っと、いえ。」

イキナリで驚いたのか、焦っていた。

「食べて行きなさい!!おいしいわよぉ。」

返事を聞く前にケーキを持ってくる母さん。
甘い物が苦手な俺は、
そーっと、二階の自分の部屋に行った。

バッフン

とベットにダイブすると、
ふわふわな布団に思わず眠気が俺をおそった。

眠気をさます為に、
コンポの電源を入れ、音楽を流す。
ノリのいい音楽に合わせて口ずさむ。


ガチャッ

いきなり開くドア。

・・・は?

入って来たのは、結川真央。

「どーしたの?」
話しかけると、

「ありがとうございました。」

また頭を下げられた。

「気にすんなって。」

軽く笑うと、

「あッ、李歩さんが降りて来なさいって言ってましたよ?」