シルバーウルフ -Is this love?-

眠らぬ繁華街の寝不足が漂う朝の空気。


ゴミ袋を喚(わめ)きながら、漁っている黒いカラス。


3流ホストが背中を丸めて、電信柱の付け根に胃袋の中身を逆流させている。


オレンジ色の牛丼屋の中には、ペキン原人のようにがっついてる土木作業員。




赤いマーチをその牛丼屋の先で停めた。




俺は運転席から降りた。


助手席に回った。扉を開けた。


大きな手の平を握った。


柔らかく暖かかった。




そんなチャイニーズ嬢を弱く引き寄せた。




石鹸の泡(あわ)みたいに軽かった。



スライド式の杖を伸ばしてやって左手に持たせた。