シルバーウルフ -Is this love?-

「なんだ?」

俺は乱暴に訊ねた。



チャイニーズ嬢はベッドの頭側付近を曖昧に指を差す。





そこには


盲人用の安全杖(つえ)が横たわっていた。


俺は舌打ちをした。


大きな手を離してその杖を拾った。


カーボン製でスライド式の杖。


俺はそいつを左手に持って、チャイニーズ嬢の手を再び握ってブースを出た。




1本廊下はひたすらに焦げ臭い。




黒い一酸化炭素がジェット気流で舞っている。




床は引き潮を知らない火の海。






俺は杖を短くスライドさせた。



豚の丸焼きを“かぶりつく”ように大きく口を開けた。



その口で杖をくわえた。