リビングの大きな窓。

カーテンは開けられていた。

そこから見える夜景。

そして、鏡代わりに銀色の髪の毛と黒いスーツの俺を映し出していた。



その向こう。メガネをした南部の息子が俺の背中を見ているのが映った。



何も言わずに見つめ続けている。




「警察には銀色の髪の毛の男と言え。」

「何日か後にお前の所に神父が現れる。転校しなきゃいけないが、喰うには困らない。心配するな。」



俺は窓ガラス越しに話し掛けた。


俺が話終えるとメガネを落として泣きじゃくりだした。




俺は振り返り、玄関に向かう途中、南部の息子の頭を撫でた。



何故、そうしたか、分からない。