シルバーウルフ -Is this love?-

「あの子、話せるようになったらしいわね。」

裕太は神父への報告が好きだ。

それなのに、頭をカチ割られてるのは無能な証(あかし)だろう。




「あと、恐らく、あの子、目が見えてきているわね。」

裕香は親指で背中のメイを指差した。



「あなたがあの子を愛するとあなたの悪魔の能力は失っていって、あの子の盲目は少しずつ光を取り戻すわ。」

裕香は俺を睨み付けながら言った。



「そして、私はあの子に憎悪を宿して神の能力を失っていくのよ。」



「知ったこっちゃねぇよ。しばらく、殺しはストライキだ。あと、メイを連れていくなら、文科省の新しい大臣候補様を弾く。神父にそう伝えておけ。」



「神父は怒っているわ。」



「だから、なんだ?お前も裕太もそればっかりだな?」



「裕慈……、あのスナックのママ…………、あなたのお母さんよ。」

奥歯を噛み締めた。ガリガリと欠けるほど噛み締めた。



歯軋(はぎし)りの音がした瞬間。



裕香のこめかみに右の拳を叩き付けた。