シルバーウルフ -Is this love?-

釈然(しゃくぜん)としないままの俺。カウンターの中のプロパンガスの栓を開いた。





テナントビルを出た。いつもの視線が堂々とこちらを向いていた。



赤いマーチのボンネット。



黒いスーツ姿の裕香が腰を掛けて長い足を組んでいた。



車内のメイは座ったままだったが



 ……まるで目が見えているように俺に気付いた様子だ。




俺は赤いマーチへ早足で向かって歩いた。



「裕慈、気が付いた?」

裕香は俺に投げ掛けてくる。



「もう、お前らの秘密遊びには飽(あ)きた。どけ、お前に用事はない。帰る。」



「ダメよ。あの子、警察が連れて帰るわよ。」



「警察じゃなくてお前がだろ?」


鼻で笑ってやった。