シルバーウルフ -Is this love?-


“Amazing Grace”だった。


「あなたたち、刑務所に来てくれたわね。幼いから怖かったかもしれないわね。あなたたちこれをね、一生懸命に歌ってくれたわ。一生懸命に歌っている、あなたの顔をずっとね、片時(かたとき)も忘れたことなかったわ。」



「ちょっと待て。お前……、何を言っている?どういう意味だ?」



「まだ、撃っちゃダメよ。この曲だけは最後まで聞かせてね。」



「いいから、俺の質問に答えろ。」



「クレヨンで書いてくれたあなたの近未来の世界の絵。すごく上手だったわ。色使いがすごく良かった。あなた、神父様に感謝しなきゃダメよ?言うことをちゃんと聞かなきゃダメよ?私たちが生きてこれたのも神父様のおかげだからね。あのクレヨンの絵がね、私にとってはね、唯一のあなたの象徴だったの。何度も何度もあの絵を抱き締めたわ。その絵をお与えてくださって、このお店もお与えてくださった神父さまへの感謝を私は忘れたことはなかったわ。だから、あなたも。ね?」


女はうら寂しい笑顔を俺に向けた。