シルバーウルフ -Is this love?-

「な……、なに?」

太った女は呂律(ろれつ)がまともに回らない。



非現実的なこの現実。それを受け入れられないって顔をこちらに向けている。



俺は同じく右で弾いた。眉間に穴が開いた。黒に近い赤を噴水みたいに垂れ流した。糸の切れた操り人形みたいにぐったりと倒れた。





俺は年増の女に向いた。女は悟ったかのようにうつ向いていた。



「そうか……。」

女は呟いた。カウンターの上、通信カラオケのリモコン。


そいつを右手で取った。



「そうか……。」

また、それを呟いて、選曲しだした。



「おい?お前、何をやっている?」

俺は出来るだけ静かに訊ねた。



「ずいぶん大きくなったね。」

女がそう言った瞬間。天井の角のスピーカーから曲が流れ出した。