タダシが、腕時計に目をやった。

「じゃあ、俺は仕事に戻るわ。」

タダシの表情が、残念そうに変わる。

「コーヒーぐらい、飲んで行けよ。」

「今度ゆっくりな。アポとってあるから、そろそろ行かねぇーとな。」

そう言って、タダシがコップをシュンに返す。

「そっか。じゃあ、出来上がったらメール入れるよ。」

シュンは、コップを、ちらちらさせながら答える。