初めて顔を合わせたのは六歳の頃。


共働きの両親がローンを組んで建てた家。

すぐ近くにはブランコのある公園があった。


ほぼ同じ時期に隣に越してきたウチには女の子の双子がいて―
一人はフリフリのピンクのワンピースを着て、明るい茶髪のツインテールを揺らして可愛らしい笑顔で、ほんのりと頬を赤く染めて
もう一人は…


「何、ジロジロ見てんの?アンタ」


同じ顔してるくせに何?この違い。

キッと人を睨み付けて、まるで猫そのもの。

同じ顔の女の子の前に一歩踏み出して彼女を自分の後ろに庇うみたいにしている。


「お姉ちゃん!」


小さな手が小さなナイトの袖を掴む。


「俺、葉月 円〈ハヅキマドカ〉、よろしく」


笑顔を作って挨拶すれば


「私は宝城 藍〈ホウジョウラン〉、お姉ちゃんは鈴〈リン〉♪」


話しかけてきたのはツインテールの妹の方。

くるんとした黒目がちの目とツインテールが兎みたいだ。

姉の方は威嚇したまま。


人懐こい笑顔をキラキラさせて、頬をピンクに染めて、少々おませな妹はさしずめ恋に恋する女の子って感じだ。


「ほら!お姉ちゃんも」

「え―、…ょろしく」


お姉ちゃんもと促された姉が至極面倒くさそうによろしくと小さく呟いた。

ソレが一番最初。