いつまでも借りることを拒否する俺に彼女はこう提案した

『この先誰かが困っていたら助けてあげたらいい』と

『そんなふうに、あなたが受けた好意を他の人に返していってください。助けられた人が他の人を助けてあげる。そんなふうにみんなが優しくなれば世界は平和になると思うから』

そういって彼女は俺に傘を持たせた

そしてにっこりと微笑んで中へと入っていった

その彼女が柊花音だった