「え」


聞き覚えのない声の主に顔を向けると


「わ!すっげぇ美人!
一人で買い物〜?」


「は…」


ちょ、なに?

ピアスをしたチャラめの男に話しかけられた。

ピアスの後ろには、帽子をかぶったこれまたチャラ男。


ナンパだ…



「俺モロ好み!おねーさん何て名前?」


帽子のやつが言った。

断らなきゃ。


「あの…私」


「あービビんなくてもいーよー?俺ら君と遊べればいいからさぁ」


「ちょ」


「カラオケとか行かない?」


「お金は俺ら払うから♪」


話を聞け!!

一方通行かあんたらは!

どーいう育ちしてんだ。


苛立つ一方、少し怖い。
断ったら怒ってきそうでしょ?



「あの……連れが」


彼氏、とは言えないからな。

遠慮がちに断った。


「えー友達?彼氏じゃないんでしょ」


「ならその子も一緒に遊ぼーよ」


どんだけプラス思考だ!

勝手に女にすんじゃないわよ…。




「だから、ちが…」

「残念でしたぁ♪」


「「「!?」」」



笑顔でひょこっ、と表れたのは、やっぱりあいつだった。