けど灯夜は中々戻ってこない。


暇だな、と思いつつ、買いすぎたなと考えていると。


「あ、そうだ」


雑貨屋さんで買い物した時のことを思い出した。



「…これだ」


支払いが終わった後、店員さんに貰った物。


『カップルさんにプレゼントしてるんですよー♪』

…らしく。

その時は次の人が並んでて急いでしまっちゃったけど。


思い出してそれを開けてみると…


「わ…かわいい! ブレスレットだ」


店員さんの手作りかな。

シンプルなビーズが何個か並んでて、なんかオシャレ。



「ん?」



開けた袋をちゃんと見てみると、もう1つ色違いの同じブレスレットが入っていた。

…ってことは、おそろい?


「カップルじゃないってのに…」


少し複雑。

まぁ、二人で付けなきゃいいか。


「灯夜が来たら教えてあげよ」


手作りのブレスレットが気に入って、付けてみた。


可愛いなと思って、頬が緩んだ時。




「…ねぇ君、一人?」