「あぁ、アヤツはよく出来た奴だな…凛と同い年だったか…?」
「その…シキとお会いしたいのですが…」
「奴なら、この時間は自室にいるだろうな」
「そうですか…お手間を取らせてすみません。ありがとうございます」
獅子郎さんの部屋を出るなり、シキの部屋を訪ねた。
長い廊下を黙々と歩き、少し奥にあるシキの部屋から、一人の男が現れた。
あれがシキ?
「…すみません」
「ん?」
「あの…シキさんですか?」
「そうだけど…アンタは確か……あぁ!獅子郎さんの孫だっけ?」
外見上、一匹狼っぽいシキだったが、話してみるとそうでもなさそうだ。