(さくら)「離してあかねぇ‼ コイツだけは牛タンにして食わなきゃ気がすまねぇ‼」
(茜)「ダメだって‼ てかさくらちゃん牛タン食いたいだけでしょ‼? 牛タン大好きなだけでしょ‼?」
(春子)「ンモオ~‼」
(秋花)「牛さ~ん、いっぱい食べていっぱいお乳出してね~」
ギャアギャアと騒ぎ立てる二人をよそに、秋花はニコニコ笑ながら牛に餌を撒いていた。
ドタバタしながらも餌を撒き終えた三人は、場所を移して今度は柵の中で作業を始める。
牛舎を清潔に保つために、柵内全体に撒かれた干し草を集めて、新しい干し草を撒くためだ。
この作業で危ないのは、牛の真後ろに顔を持っていくと後ろ足で顔面を蹴られる可能性があるため、さくらと茜が牛の周りの干し草をかき出し、秋花はそれをリヤカーに乗っける作業分担となった。
(さくら)「以外と牛舎の中って臭くないんだね」
作業をしながら素人のさくらがそう思うのも、すべてはこの作業のおかげである。
(茜)「うちの牧場は牛の数が少ないから、私たちだけで清潔にできるけど、数が多くなったら本当に大変だよ」
(さくら)「そういえばこの牧場ってなんか動物の数がおかしいよね? 種類が沢山いて統一感がないっていうか…」
確かにさんちファームの家畜の種類は異質だ、
牛-7頭
豚&ミニブタ-5匹
馬-3頭
ヤギ-15匹
鶏-21羽
鴨-13羽
その他色々…
それぞれの数が少なく、それでいて種類が多い、
(さくら)「この牛舎だって隣にヤギがいるし、牛舎と呼べるかどうかさえ怪しいわよ」
さくらが牛舎の奥に目をやると、ヤギたちがあちこち向きなが干し草を食べていた。
