それでも反応はない。 試しに大声で 「ワガママ姫! バカ!」 と、言ってみたが何もない。 本人に言ったらどんな深い眠りからも飛び起きて、恐ろしい勢いとキンキン声で怒られそうなことなのに、だ。 これはおかしいと思い、バッと布団を剥ぎ取った。 「………」 リリアは青ざめ絶句した。 布団の上にあったのは、リリアの顔色とは対照的に、もうブームが去ってマリンが着なくなった真っ赤なドレスの数々だった。