唐突なワガママを、父である王はともかく、母にも言わず、自分や召し使いに頼るのはそのせいだろうか。 リリーが遠慮をしているからこそ、マリンも甘えるのを躊躇う。 そんな溝が二人の間によこたわって、王とも関係が上手くいかない。 箱入りに育てられ友すらいない。 結局のところ、多くの他人に囲まれながらも孤独なのだ。 リリアは、改めて彼女を不幸だと思った。