「しかし……」 「時間がないの。あなたの身分はこちらでどうにでも誤魔化すから」 「でもっ」 「他のことはマリンと一緒に勉強していたものね。でもわからないことがあったら聞いて」 リリアは言葉をことごとく遮るリリーに、だんだんイライラとしてきていた。 「あとは――」 ついに我慢に限界が訪れた。 「待って下さいよ! そういうことならどうしてこんなギリギリになってからなんです? 今までに機会はいくらでもっ」