そういい残し、マリンはテラスの手すりを乗り越えて庭に飛び出した。 「え、ちょ、マリン様!? どこ行くんですか!」 走り去るマリンからの返答はなく、その代わりに楽しそうなマリンの高笑いが遠ざかっていく。 リリアはマリンのドレスの裾をつかめず行き場のなくなった手を見つめ、血の引いた顔でつぶやいた。 「あのワガママ姫…。どうしよう……やな予感しかしないわ…」